「ドンファン嫁」と検索すると名前が挙がる須藤早貴氏。2018年に和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さんが急性覚醒剤中毒で死亡した事件で、妻だった須藤氏は殺人などの罪に問われました。しかし、2024年12月の一審に続き、2026年3月23日の大阪高裁でも無罪判決が維持され、同年4月には検察側が最高裁に上告しています。
一方、野崎さんが遺産の全財産を田辺市に寄付するとした遺言書については、2026年9月30日付の最高裁決定で有効性が確定しました。ただし、遺言書の有効性と須藤氏が遺留分を請求できるかどうかは別の問題です。刑事裁判の行方によって、13億円超とされる遺産の帰属にも影響が及ぶ可能性があります。
【人物像】ドンファン嫁・須藤早貴氏の経歴と年齢

須藤早貴氏は、資産家の野崎幸助さんの妻だった人物です。事件当時は22歳で、野崎さんは77歳。55歳の年齢差がある結婚だったことから、結婚生活や財産をめぐる問題も大きく報道されました。
2026年3月の控訴審判決時、須藤氏は30歳と報じられています。出身地や学歴、事件前の活動については、裁判で明らかになった情報と報道を分けて見る必要があります。
北海道札幌市で育ち、美容専門学校を卒業週刊文春などの裁判報道によると、須藤氏は北海道札幌市出身で、地元の小学校・中学校・高校を経て、美容専門学校を卒業したとされています。2016年には東京へ移り、モデルとして芸能プロダクションに登録するなどして活動していました。
裁判では、交際クラブへの登録や派遣型風俗店での勤務、成人向け映像作品への出演歴なども取り上げられました。こうした情報は、検察側が示した事件前の生活や収入に関する証拠の一部です。ただし、過去の職業や生活スタイルそのものが、殺人事件の有罪を証明するものではありません。
別の詐欺事件では実刑判決須藤氏については、野崎さんの死亡事件とは別に、男性から金銭をだまし取ったとする詐欺事件でも裁判が行われています。2024年9月2日、和歌山地裁は、海外留学の準備金などの名目で約2,981万円を詐取した事件について、懲役3年6か月の判決を言い渡しました。
この詐欺事件と野崎さんの死亡をめぐる刑事裁判は、別々の事件です。詐欺事件での有罪判決を理由に、殺人事件についても有罪だったと扱うことはできません。
須藤氏の経歴を整理する際には、学歴や職歴、別事件の司法判断、そして今回の殺人事件に対する判断を混同しないことが大切です。
【結婚の経緯】須藤早貴氏と野崎幸助さんに何があったのか
野崎幸助さんは、和歌山県田辺市を拠点に貸金業や酒類販売業などで財産を築いた資産家です。多くの女性との交際を自ら語っていたことなどから、「紀州のドン・ファン」という呼び名で知られるようになりました。
2017年12月に出会い、2018年2月に結婚裁判での須藤氏の証言などによると、2人が知り合ったのは2017年12月ごろ。知人を介して野崎さんと出会い、2018年2月8日に婚姻届を提出しました。
須藤氏は法廷で、野崎さんから結婚を申し込まれた際、毎月100万円を受け取る条件などを話し合ったと説明しています。報道では、田辺市での生活や夫婦関係をめぐって意見の食い違いがあり、事件前には離婚の話も出ていたとされています。
ただし、結婚の条件や夫婦間のやり取りについては、須藤氏の証言、関係者の供述、検察側の主張など、情報の性質が異なります。離婚をめぐる問題があったことと、それが事件の動機だったと法的に認定されたことは別です。
結婚から約3か月半後、野崎さんが死亡2018年5月24日、野崎さんは田辺市内の自宅で死亡しているのが見つかりました。当時77歳。死因は急性覚醒剤中毒とされ、発見者は結婚から約3か月半の妻だった須藤氏でした。
その後、警察は野崎さんの死亡について捜査を進め、2021年4月28日に須藤氏を殺人などの疑いで逮捕。同年5月に起訴しました。起訴内容は、須藤氏が野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、死亡させたというものです。
須藤氏は公判で一貫して犯行を否定しました。野崎さんが亡くなったこと自体と、須藤氏が殺害したかどうかは、刑事裁判で区別して判断されるべき問題です。
【事件の時系列】結婚から2026年の最高裁上告まで
事件の経過を理解するうえでは、警察の捜査、刑事裁判、遺言書をめぐる民事裁判を分けて整理すると全体像が見えやすくなります。特に2026年には、刑事事件での上告と遺言書の有効性をめぐる最高裁決定という、性質の異なる動きがありました。
| 時期 | 出来事 | 意味・現在の位置づけ |
|---|---|---|
| 2017年12月ごろ | 須藤氏と野崎さんが知人を介して出会う | 須藤氏の法廷証言などで語られた経緯 |
| 2018年2月8日 | 2人が結婚 | 野崎さんは当時77歳、須藤氏は22歳 |
| 2018年5月24日 | 野崎さんが急性覚醒剤中毒で死亡 | 死亡をめぐる捜査が始まる |
| 2021年4月28日 | 須藤氏を逮捕 | 殺人などの疑い。後に起訴される |
| 2024年9月12日 | 殺人事件の裁判員裁判が始まる | 須藤氏は無罪を主張 |
| 2024年12月12日 | 和歌山地裁が無罪判決 | 犯行を認定するには合理的な疑いが残ると判断 |
| 2025年9月19日 | 大阪高裁が遺言書を有効と判断 | 田辺市への遺贈をめぐる民事訴訟 |
| 2026年3月23日 | 大阪高裁が刑事事件の無罪判決を維持 | 検察側の控訴を棄却 |
| 2026年4月6日 | 検察側が最高裁に上告 | 刑事裁判の最終的な結論は未確定 |
| 2026年9月30日 | 最高裁が遺言書をめぐる親族側の上告を棄却 | 田辺市への遺贈を定めた遺言書の有効性が確定 |
刑事裁判の経過はテレビ朝日NEWS、和歌山放送ニュースなどの報道、遺言書をめぐる民事裁判の経過は和歌山放送ニュースなどの報道に基づいています。2つの裁判では当事者や争点が異なるため、同じ「ドンファン事件」として一括りにしないことが重要です。
【無罪判決の理由】須藤早貴氏はなぜ一審・二審で無罪になったのか
須藤氏の刑事裁判では、野崎さんがどのように覚醒剤を摂取したのか、そして須藤氏が意図的に摂取させたといえるのかが大きな争点となりました。
検察側は遺産を動機とする計画的犯行を主張検察側は、須藤氏には多額の遺産を得る動機があり、野崎さんとの関係が悪化していたことや、インターネットの検索履歴などから計画的な犯行だったと主張しました。公判では、覚醒剤の入手に関する捜査結果や、事件前後の行動についても証拠が示されました。
検察側は2024年11月、須藤氏に無期懲役を求刑しました。一方、弁護側は、須藤氏が野崎さんに覚醒剤を摂取させたことを裏付ける決定的な証拠はなく、犯行を認定できないと反論しました。
一審が重視した「合理的な疑い」2024年12月12日、和歌山地裁は須藤氏に無罪を言い渡しました。報道された判決理由では、野崎さんが覚醒剤を誤って過剰摂取した可能性を排除できないことや、須藤氏が犯行に使ったとされる物質が覚醒剤だったと断定できないことなどが判断のポイントとなりました。
検察側が問題視したインターネットの検索履歴についても、検索した事実だけで殺害を計画していたと認定するには足りないと判断されました。
ここで押さえておきたいのは、無罪判決が「野崎さんの死因は事故だった」と確定したことを意味するわけではない点です。刑事裁判で有罪とするには、被告人が犯罪を行ったことを証拠によって証明しなければなりません。一審は、その立証が十分ではないと判断しました。
2026年3月の大阪高裁判決と最高裁への上告検察側は一審判決を不服として控訴しましたが、2026年3月23日、大阪高裁は控訴を棄却し、無罪判決を維持しました。
テレビ朝日NEWSの判決報道によると、大阪高裁は、須藤氏の検索行動が殺害を考えていたことを示す可能性には触れつつも、明確な殺害計画があったとまでは認定できないと判断しました。また、野崎さんが愛犬の死で精神的に不安定になり、覚醒剤の使用量を誤った可能性も否定できないとしました。
その後、2026年4月6日に大阪高検が最高裁へ上告しました。10月29日時点では、最高裁の最終判断は報道されていません。したがって、「二審まで無罪」と「無罪が確定した」は区別して理解する必要があります。
【遺産相続】13億円超の財産と田辺市への遺言書、須藤氏の遺留分
野崎さんの死をめぐっては、刑事裁判とは別に、遺産を誰が受け取るのかという民事上の問題があります。遺産は13億円超と報じられ、田辺市に全財産を寄付するとした遺言書の有効性が、親族と市の間で争われてきました。
2013年付の遺言書は2026年に有効性が確定遺言書は2013年2月8日付で、赤いペンを使って「いごん 個人の全財産を田辺市にキフする」と手書きされていました。野崎さんの死後に見つかったこの書面について、親族側は本人が作成したものではない可能性などを主張し、無効確認を求めていました。
しかし、2024年6月の和歌山地裁判決、2025年9月の大阪高裁判決はいずれも遺言書を有効と判断。さらに2026年9月30日付の最高裁決定で親族側の上告が退けられ、遺言書の有効性が確定しました。和歌山放送ニュースなどが報じています。
この決定で確定したのは、田辺市への遺贈を定めた遺言書が有効であるという点です。須藤氏が遺留分を請求できるかどうかまで、この民事訴訟で決着したわけではありません。
遺留分とは何か?「半分」と「8分の3」の違い遺留分とは、遺言によって財産の大部分が第三者などに渡される場合でも、一定の相続人に保障される最低限の取り分です。配偶者には原則として遺留分が認められますが、兄弟姉妹には遺留分がありません。
野崎さんの相続については、子どもや存命の直系尊属がおらず、配偶者と兄弟姉妹が相続人となる前提で考えると、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。配偶者の遺留分は法定相続分の2分の1に当たるため、遺産全体の8分の3となります。
一部の報道では「遺産の半分」と説明されることもありますが、兄弟姉妹が共同相続人となる場合の計算は異なります。2026年10月の法律解説でも、遺留分を遺産全体の8分の3とする計算が示されています。
仮に遺産を13億円と置き、8分の3を単純計算すると約4億8,750万円です。ただし、これは説明のための概算であり、実際の請求額や支払額を確定するものではありません。遺産の評価額、債務、生前贈与などによって計算は変わり得ます。
刑事裁判の結論が遺産の行方を左右する須藤氏は野崎さんの死亡当時、法律上の妻でした。そのため、相続人としての資格を維持できるかどうかが、遺留分の問題に関わります。
野崎さんを故意に殺害したことについて有罪判決が確定した場合には、相続欠格に該当し、相続権や遺留分を失うことになります。一方、刑事裁判で無罪が確定し、ほかの相続上の問題もなければ、須藤氏が遺留分を請求できる可能性があります。
つまり、遺言書が有効と確定したからといって、田辺市が必ず遺産の全額を最終的に受け取ると決まったわけではありません。市への遺贈と、配偶者の遺留分という別々の法律上の問題が残っているためです。
【2026年の現在】須藤早貴氏の評判と報道をどう見るべきか
2026年10月29日時点で、須藤氏をめぐる公的な動向として大きいのは、刑事裁判の最高裁上告と遺産相続の問題です。本人の現在の生活状況や日常的な活動については、継続的に確認できる公的な発信が限られており、報道では裁判と財産の行方が中心となっています。
報道で注目されやすい3つの論点第一は、55歳の年齢差があった結婚と、結婚から約3か月半後に野崎さんが死亡したという経緯です。短期間の結婚生活と不審な死が重なったことが、事件への関心を高める要因となりました。
第二は、検察側が示した遺産目的という動機と、裁判所が判断した証拠の十分性との違いです。動機があった可能性と、殺人を実行したことが証明されたかどうかは同じではありません。二審までの無罪判決は、この証明の問題を重視したものです。
第三は、13億円超とされる遺産です。刑事裁判の結果によって遺留分の問題が変わり得るため、事件報道と相続報道が同時に続いています。
「評判」と司法判断を混同しない須藤氏については、過去の職歴、詐欺事件での有罪判決、野崎さんとの結婚生活など、さまざまな情報が報道されてきました。しかし、個々の情報が示す意味は異なります。
詐欺事件で有罪となったことは司法上の事実ですが、野崎さんの殺害については一審・二審とも無罪です。刑事事件に対する世間の印象や、インターネット上の憶測を、裁判で認定された事実と同じものとして扱うべきではありません。
また、最高裁への上告が行われたことも、須藤氏が有罪であることを意味しません。最高裁が今後どのような判断を示すのか、あるいは上告審がどのように終結するのかは、現段階では確定していません。
【よくある質問】ドンファン嫁・須藤早貴氏に関するFAQ
Q1:ドンファン嫁と呼ばれる須藤早貴氏は何歳ですか?
A1:2026年3月の控訴審判決時には30歳と報じられています。北海道札幌市出身で、美容専門学校を卒業したとされています。
Q2:須藤早貴氏は2026年に無罪が確定しましたか?
A2:まだ確定していません。2026年3月23日に大阪高裁が一審の無罪判決を維持しましたが、4月6日に検察側が最高裁へ上告しています。10月29日時点で最終的な結論は確定していません。
Q3:須藤早貴氏は野崎幸助さんの遺産を相続できますか?
A3:遺留分を請求できる可能性があります。野崎さんの遺言書は田辺市への遺贈を定めたものとして有効性が確定しましたが、須藤氏が相続人としての資格を維持できるかどうかは、刑事裁判の結論などに左右されます。
Q4:野崎幸助さんの遺言書は無効になったのですか?
A4:いいえ。2026年9月30日付の最高裁決定で、親族側の上告が棄却され、遺言書を有効とした判決が確定しました。遺産を田辺市に寄付するという遺言の効力は認められています。
Q5:須藤早貴氏が受け取れる遺留分は6億円ですか?
A5:一律に6億円と決まっているわけではありません。配偶者と兄弟姉妹が相続人となる前提では、配偶者の遺留分は遺産全体の8分の3です。13億円を基準に単純計算すると約4億8,750万円ですが、実際の額は財産や債務などによって変わります。
「ドンファン嫁」と呼ばれる須藤早貴氏は、2018年に野崎幸助さんと結婚し、その約3か月半後に野崎さんが急性覚醒剤中毒で死亡した事件で、殺人などの罪に問われました。2024年12月の一審、2026年3月の二審はいずれも無罪判決でしたが、検察側が最高裁に上告しており、刑事裁判はまだ確定していません。
一方、野崎さんの全財産を田辺市に寄付するとした遺言書は、2026年9月の最高裁決定で有効性が確定しました。ただし、須藤氏の遺留分請求の可否は別の問題であり、今後の刑事裁判の結果などが重要になります。
この事件を理解するうえで押さえたいのは、報道上の疑惑、裁判で認定された事実、そして今後の法的な見通しを分けて考えることです。二審までの無罪判決は有罪を裏付ける証明が十分ではないとする判断であり、事件のあらゆる経緯が解明されたことを意味するものではありません。
2026年10月29日時点で、今後の焦点は刑事裁判の最高裁判断と、遺言書の有効性が確定した後の遺留分をめぐる動きです。野崎さんの遺産が最終的にどのように分配されるのかは、引き続き注目されます。