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ナスカの地上絵の謎を解く!2026年最新研究で迫る目的・制作方法・宇宙人説の真相

室井 大河 室井 大河 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
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ペルー南部の砂漠に広がるナスカの地上絵。ハチドリやクモ、サルなどの動物、数キロメートルに及ぶ直線や幾何学模様が、なぜ約2000年前の大地に描かれたのでしょうか。誰が、何のために、どのような方法で巨大な図形を残したのか。人類史に残るこの謎は、考古学や航空写真、人工知能(AI)を使った最新研究によって、少しずつ解き明かされています。

2026年現在、注目されているのは、山形大学とIBM ResearchなどによるAIを活用した調査です。2024年には新たに303点の具象地上絵が確認され、2025年にも248点の新発見が発表されました。研究から見えてきたのは、地上絵が単なる巨大な絵ではなく、儀礼や人々の移動、地域社会の信仰と結びついていた可能性です。宇宙人説、天文学説、水との関係を整理し、分かっていることと未解明の謎を詳しく解説します。

【2026年最新】ナスカの地上絵の謎はAI研究でどこまで解明された?

ナスカの地上絵謎

ナスカの地上絵は、ペルー南部のイカ地方に位置するナスカ台地とパルパ周辺に残された地上絵群です。動物や植物、人間のような姿、直線、三角形に近い台形、幾何学模様などが広大な土地に刻まれています。

ユネスコ世界遺産センターによると、ナスカとパルパの地上絵は主に紀元前500年から紀元後500年ごろにかけて形成された遺跡群として知られています。1994年には世界遺産に登録されました。地上絵の分布や利用は一時期に限られず、地域や図形の種類によって異なる歴史を持っています。

長年の研究でも特に難しかったのが、地面に近い位置に描かれた小さな地上絵の発見です。巨大な図形は航空写真から比較的見つけやすい一方、小さな図形は侵食や地表の色の変化によって判別しにくく、広い調査範囲を人の目だけで調べるには限界がありました。

2024年から2026年にかけて何が分かったのか

山形大学ナスカ研究所とIBM Researchなどの研究チームは、航空画像などをAIで解析し、地上絵が存在する可能性の高い場所を抽出する方法を開発しました。研究成果は2024年9月に公表され、同年10月刊行の学術誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載されています。

この研究では、約6か月の現地調査で新たに303点の具象地上絵が確認されました。AIが発見候補を絞り込み、研究者が現地で確認することで、従来の方法よりも効率的に調査を進められたのです。加えて、同じ調査では42点の幾何学的な地上絵も新たに発見されています。

2025年8月には、ペルーの政府系観光振興機関PROMPERÚが、大阪・関西万博のペルー館で新たに248点の地上絵が発見されたと発表しました。2023年から2024年にかけてのAIを活用した現地調査の成果で、研究を率いた山形大学の坂井正人教授が紹介しています。これらの発表は調査時期や対象、分類が異なるため、各数字を単純に足して一つの総数とすることはできません。

2026年5月には、米国の『ナショナル ジオグラフィック』もAIによる発見と研究の進展を取り上げました。研究者の関心は、発見数を増やすことだけではありません。地上絵がどこにあり、何を描き、道や儀礼空間とどのようにつながっているのかを調べることで、制作目的の解明が進んでいます。

【誰が描いた?】ナスカ文化と地上絵が生まれた時代背景

ナスカの地上絵を描いたのは、宇宙人でも、単独の天才的な芸術家でもありません。考古学的には、ナスカ文化を中心とする南部ペルー沿岸の先住社会が、集団で制作し、利用していたと考えられています。

ナスカ文化は、乾燥した沿岸地域で農耕や工芸、宗教的な活動を営んだ社会です。地上絵の制作には、広い土地を使い、多くの人々が作業を分担する必要がありました。図形の規模や配置を考えれば、何らかの計画や共同作業の仕組みが存在したとみるのが自然です。

地上絵は一人の作者が一度に描いたものではない

ナスカの地上絵は、すべてが同じ時代に、同じ目的で作られたわけではありません。形状や位置、周辺から出土した土器などの考古学的資料を比較すると、制作や使用の時期が異なる図形が含まれていることが分かります。

そのため、「ナスカの地上絵を描いた人物は誰か」という疑問に、特定の個人名で答えることはできません。重要なのは、世代を超えて土地を利用した人々の知識や信仰、共同体の活動が、地表に残された図形に反映されている可能性です。

地上絵は空から見るためだけのものだったのか

巨大な動物の図形は、空から見ると全体像が分かりやすいため、「飛行する手段を持たない古代人には描けなかったのではないか」という疑問が生まれました。しかし、図形を上空から完全な形で眺められなければ制作できない、というわけではありません。

地上絵の一部は、地面に設けた目印やひもを使って線を延ばし、地上から確認できる範囲を少しずつつなげることで制作できます。また、周囲の高所から形を確認することも可能です。小型の地上絵が歩行路の近くに多いという研究結果も、制作や利用が地上の人間の活動と深く関係していたことを示しています。

【なぜ描かれた?】儀式説・天文学説・水との関係を徹底比較

ナスカの地上絵の目的は、今もすべてが解明されたわけではありません。ただし、近年の研究では、地上絵を一律に「天文カレンダー」や「神への絵」と考えるのではなく、図形の種類や配置、周辺の道との関係を個別に検討する姿勢が重視されています。

儀式説:共同体の祈りや巡礼と結びついていた可能性

現在、有力な解釈の一つが儀礼説です。ナスカ台地には、直線や台形状の地上絵が複雑なネットワークを形成している場所があります。研究者は、こうした配置と動物の地上絵、巡礼路や宗教的な場所との関係を調べています。

2024年に『PNAS』に掲載された研究では、大型の線状地上絵が、幾何学的な図形群や主要な道のネットワークと関連していることが示されました。研究チームは、大型の動物図形が共同体レベルの儀礼に使用された可能性を指摘しています。

ただし、すべての地上絵で儀礼の内容が特定できたわけではありません。祭祀の具体的な手順や、誰がどのような祈りを行ったのかは、今後も考古学的資料をもとに検討する必要があります。

天文学説:星や太陽の動きを示すカレンダーだったのか

ナスカの地上絵には、非常に長い直線や幾何学的な図形があるため、太陽の昇る位置や沈む位置、星の動き、季節の変化を示す天文カレンダーだったという説も提唱されてきました。農耕の時期を判断するための目印だった可能性も考えられます。

しかし、すべての線が特定の天体の位置と対応するという説には、十分に確立されていない部分があります。動物の図形を星座に対応させる解釈についても、当時の人々が実際にその星座体系を使っていたことを裏付ける証拠が必要です。

したがって、天文学との関係を全面的に否定することも、地上絵全体を巨大な天文台と断定することもできません。天体観測が一部の図形や儀礼と関係した可能性と、地上絵のすべてが天文学を目的に作られたという主張は、分けて考える必要があります。

水との関係:乾燥地帯だからこそ水が重要だった

ナスカ周辺は雨が極めて少ない乾燥地帯です。農耕や生活を維持するには、水源や地下水、季節的な水の流れを把握することが重要でした。この環境を背景に、地上絵が水の恵みや農耕の豊穣を祈る儀礼、地下水源に関する信仰と関係していたという説があります。

地上絵の線や配置の一部が水源や水の流れと関係している可能性は研究されていますが、すべての図形が水路や地下水の位置を示す地図だったと証明されたわけではありません。水との関係を考える際には、地上絵そのものだけでなく、周辺の地形、集落、農耕、儀礼の痕跡を総合して判断が必要です。

主な説と、それぞれの研究上の位置づけを整理すると次のようになります。

説・研究対象 根拠となる観察 現在の評価と課題
儀式・巡礼説 大型の地上絵と直線・台形状の図形群、道のネットワークとの関連 有力な解釈の一つ。具体的な儀礼の内容は未解明。
天文学説 長い直線や図形の向きと、太陽・星などの天体との位置関係 一部で可能性が議論されているが、地上絵全体を説明する説ではない。
水・農耕説 乾燥した環境、水源や地形との関係、農耕に関する信仰の可能性 環境と信仰を考えるうえで重要。個々の図形と水源の直接的な関係には検証が必要。
道・情報伝達説 小型の地上絵が古代の歩行路の近くに分布していること AIを用いた研究が支持。図形が具体的に何を伝えていたかは未解明。
宇宙人説 巨大な図形や、上空から見ると分かりやすい形状 制作主体を宇宙人とする考古学的証拠は確認されていない。

これらの説は、必ずしも互いに排他的ではありません。例えば、ある地上絵が巡礼路に関係し、その儀礼が農耕や水への祈りと結びついていた可能性もあります。今後の研究では、図形の種類や場所ごとに目的を見分けることが鍵になります。

【制作方法】巨大な地上絵をどう描き、なぜ2000年も消えないのか

ナスカの地上絵の不思議さは、巨大さだけではありません。複雑な機械や航空機がなかった時代に、どうやって正確な図形を地面に描き、長い年月にわたって残したのでしょうか。

地表の石を取り除くことで明るい線を作る

大型の地上絵は、地面を深く掘り下げて作るものではありません。基本的には、表面を覆う暗色の石や砂利を取り除き、その下にある明るい色の地面を露出させる方法で作られています。暗い地表と明るい地面のコントラストによって、遠くからでも線や図形が認識できるようになります。

取り除いた石を線の両側に寄せ、輪郭を強調した例もあります。一方、AI研究で発見された小型の地上絵には、地表の石を移動させたり積み上げたりして形を表現したものもあります。つまり、ナスカの地上絵は、すべてが同一の制作技法で作られたわけではありません。

ひもや杭を使えば長い直線や図形を描ける

長い直線を正確に描く方法として考えられているのが、地面に杭を打ち、ひもを張って目印にする技術です。複数の目印を使えば、線の方向を保ちやすくなります。小さな図形を拡大する場合も、基準点や距離を決め、作業を分担することで大きな図形を描くことができます。

こうした方法は、特別な機械がなくても実現可能です。重要なのは、測量の知識、作業を指示する仕組み、そして多くの人が協力して作業する体制があったと考えられる点です。地上絵は、古代の人々が持っていた技術と組織力を示す遺産でもあります。

なぜナスカの地上絵は雨風で消えないのか

地上絵が長期間保存されてきた最大の理由は、ナスカ台地の自然環境です。ユネスコ世界遺産センターやNASAの解説によると、この地域は降雨が極めて少なく、乾燥した環境が地上絵の保存に適しています。大雨や流水によって地表が削られる機会が少ないため、石を取り除いた線が長く残ってきました。

また、地表の暗い石が周囲の明るい地面との対比を生み出すため、図形の輪郭を識別しやすいことも特徴です。地上絵が消えにくいのは、特殊な保護物質が塗られているからではなく、制作方法と土地の自然条件が組み合わさった結果です。

ただし、保存環境は永遠に安定しているわけではありません。気候変動に伴う突発的な洪水や、無許可の立ち入り、車両や開発工事による損傷は、地上絵にとって現実的な脅威です。乾燥地帯だから絶対に消えない、という理解は正しくありません。

【宇宙人説の真相】地上絵は地球外文明のために描かれたのか

ナスカの地上絵をめぐる話題の中でも、特に強い関心を集めるのが宇宙人説です。巨大な図形が上空から見たときに分かりやすいことや、直線が遠くまで伸びていることから、宇宙船の着陸地点や地球外生命体へのメッセージだったのではないか、という想像が広がってきました。

しかし、現在の考古学研究では、宇宙人が制作に関与したことを裏付ける物証は確認されていません。地上絵の制作に必要な技術は、地表の石を取り除く作業、ひもや杭を使った測量、集団による作業分担などで説明できます。

宇宙人説が生まれた理由

地上絵の全体像を把握するには、高所や航空機からの視点が役立ちます。そのため、「空から見ることを前提にしていたのではないか」という疑問が、宇宙人説と結びつきました。しかし、図形を制作するために必ず上空から全体を見る必要があったとは限りません。

加えて、2024年の研究で確認された小型の地上絵の多くは、古代の歩行路の近くに位置していました。研究チームは、大型の線状地上絵と小型のレリーフ状地上絵では、制作や利用のあり方が異なっていた可能性を示しています。小型の図形は、個人や少人数の集団が見たり、移動する人々に何らかの情報を伝えたりする役割を担っていたと考えられています。

現在の研究が示していること

宇宙人説に代わって研究者が注目しているのは、図形の分布、道との位置関係、描かれた動物や人物、そして儀礼空間とのつながりです。地上絵は、単に遠くから眺めるための絵ではなく、人々が歩き、集まり、信仰を共有する土地の使い方と関係していた可能性があります。

もちろん、古代の人々が図形に込めた意味のすべてが解明されたわけではありません。しかし、未解明の部分があることと、宇宙人が関わったという主張に証拠があることは別問題です。現時点では、地上絵を生み出した人間社会の技術や信仰を調べることが、謎の解明に向けた最も確かな道筋です。

【現在の研究と保護】2026年に残された課題とは

2026年のナスカ研究では、AIによる発見の加速と、貴重な遺跡をどのように保護するかという課題が並行しています。発見された地上絵が増えるほど、図形の分布や利用目的を比較するための資料は豊富になります。その一方で、地上絵が残る地域を適切に管理し、損傷を防ぐ必要性も高まっています。

ペルー文化省は2026年6月、ナスカの考古学保護区に含まれるチャウチージャ地区で、許可を受けずに掘削や溝の開削などを行っていた7人を確認したと発表しました。この発表は、著名な地上絵そのものが新たに損傷したという意味ではありませんが、周辺を含む考古学的景観の保護が現在も続く課題であることを示しています。

自然環境への対応も欠かせません。山形大学とIBM Researchなどの研究チームは、地上絵を効率よく発見・記録する技術が、遺跡の保護や管理にも役立つと考えています。高精細な航空画像やドローン画像、AIによる位置の特定を組み合わせれば、これまで見つけにくかった図形を記録し、損傷の危険がある場所を把握しやすくなります。

今後、何が分かれば謎の解明に近づくのか

大きな課題の一つは、地上絵が作られた時期を図形ごとに詳しく特定することです。地上絵の近くから見つかる土器などの考古学的資料は年代を推定する手掛かりになりますが、すべての図形について制作年代や使用期間が判明しているわけではありません。

また、図形と道の位置関係が分かっても、それだけで当時の人々が何を考え、どのような儀礼を行ったかまでは断定できません。地上絵の形、周辺の遺物、集落、水資源、地形を総合的に分析することが必要です。

2026年現在の研究の進展は、地上絵の謎が一つの答えに収束するというより、図形ごとに異なる目的や使われ方が見えてくる段階にあることを示しています。新たな発見は、既存の説を裏付けるだけでなく、これまでの理解を見直すきっかけにもなっています。

【ナスカの地上絵の謎】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ナスカの地上絵は誰が描いたのですか?
A1:ナスカ文化を中心とする南部ペルー沿岸の先住社会が、長い期間にわたって制作・利用したと考えられています。一人の作者がすべてを描いたものではなく、時代や地域によって制作や利用のあり方が異なっていた可能性があります。

Q2:ナスカの地上絵は何のために描かれたのですか?
A2:儀礼や巡礼、共同体の活動、情報伝達、水や農耕に関わる信仰など、複数の目的が提案されています。大型の地上絵と小型の地上絵では、用途が異なっていた可能性も指摘されています。すべての図形に共通する一つの目的は、まだ解明されていません。

Q3:ナスカの地上絵は宇宙人が描いたのですか?
A3:宇宙人が制作したことを裏付ける考古学的証拠は確認されていません。地表の石を取り除く方法や、ひもと杭を使った測量、集団での作業によって、人間の技術で制作できたと考えられています。

Q4:ナスカの地上絵はなぜ雨や風で消えないのですか?
A4:雨が極めて少ない乾燥した環境にあり、地表が流水で削られる機会が少ないためです。暗い石を取り除いて明るい地面を露出させる制作方法も、図形が長期間識別できる理由の一つです。ただし、洪水や人為的な損傷の危険はあります。

Q5:2026年の最新研究で何が分かったのですか?
A5:2024年に公表された山形大学とIBM Researchなどの共同研究では、AIを活用した現地調査で303点の具象地上絵が確認されました。2025年には248点の新発見も発表されています。これらの成果から、大型の地上絵は共同体の儀礼、小型の地上絵は歩行路を利用する個人や少人数の活動と関係していた可能性が示されています。

ナスカの地上絵は、約2000年前の人々が残した巨大な図形であり、その制作技術と保存状態、そして目的の多様さが研究者を引きつけています。誰が描いたのかという問いには、ナスカ文化を中心とする先住社会の人々が集団で制作・利用したという考古学的な理解があり、制作方法についても、地表の石を取り除き、目印やひもを使って図形を作る技術が明らかになっています。

一方、なぜ描かれたのかという問いには、儀式説、天文学説、水や農耕との関係、道や情報伝達の役割など、複数の解釈が残されています。すべてを一つの説で説明するのではなく、図形の種類や配置、周囲の遺物を比較して考えることが大切です。

2026年現在、AIによる発見は、これまで見つけにくかった地上絵を可視化し、古代社会への理解を深めています。宇宙人説のような刺激的な仮説よりも、地上絵と人々の暮らし、信仰、移動、水資源との関係を示す証拠に注目することで、謎の真相に近づくことができます。

ナスカの地上絵が今なお問いかけているのは、巨大な図形をどう描いたかだけではありません。厳しい自然環境の中で暮らした人々が、何を大切にし、土地にどのような意味を与えていたのか。その答えは、新たな地上絵の発見と、考古学・AI・環境研究の積み重ねによって、これからも少しずつ明らかになっていくはずです。

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トレンドリサーチャー 室井 大河
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映画と連続ドラマの公開情報を担当。配給会社のプレスシート、作品公式ページ、興行通信の発表値を確認して記事化します。

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