地震の震度3は、どのくらい揺れるのでしょうか。突然、部屋が揺れたり、照明が動いたりすると、「大きな地震なのでは」「家具が倒れる危険はあるのか」と不安になる人も少なくありません。気象庁の震度階級によると、震度3では屋内にいる人のほとんどが揺れを感じ、棚の食器類が音を立てることがあります。
ただし、震度3だからといって、必ず家具が倒れたり、建物に被害が出たりするわけではありません。実際の揺れ方は、地盤や建物の構造、住んでいる階数、家具の固定状況などによって変わります。2026年10月時点の気象庁の公表情報をもとに、震度3の体感、室内への影響、震度2・4との違い、地震速報の見方、揺れを感じたときの安全な行動まで詳しく解説します。
【震度3はどのくらい揺れる?】体感と室内で起こる現象

震度3は、地震の揺れをはっきりと感じるものの、一般的には多くの人が身の回りの状況を確認できる程度の揺れです。震度2よりも揺れを自覚しやすく、普段は意識しない家具や照明の動きに気づくことがあります。
震度3の体感は「揺れている」と明確にわかるレベル気象庁の「気象庁震度階級関連解説表」では、震度3について、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じ、歩いている人の中にも揺れを感じる人がいると説明されています。また、眠っている人の大半が目を覚ますことも特徴です。
具体的には、次のような感覚や現象が考えられます。
- 座っていると、床や椅子が小刻みに揺れるのを感じる。
- 立っていると、建物がわずかに動いているように感じる。
- つり下げ式の照明や電灯が揺れる。
- 食器棚や収納棚から、食器が触れ合う音がする。
- 静かな部屋で作業していると、揺れに気づいて手を止めることがある。
ただし、これらは震度3で起こり得る現象であり、すべての場所で同じことが起こるわけではありません。揺れの継続時間や方向、建物の特性によっても印象は変わります。
震度3でも怖いと感じるのはなぜ?震度は観測された地震動の強さを表す指標ですが、人が感じる恐怖や驚きまで一律に示すものではありません。突然の揺れに驚く人もいれば、揺れが比較的短く、落ち着いて対応できる人もいます。
夜間の静かな室内や、眠りかけているときには、小さな物音や振動でも強く意識されることがあります。また、地震の経験や建物の揺れ方によっても、体感には個人差があります。
「震度3なのに怖かった」「震度3と聞いたが、それほど揺れを感じなかった」という違いは、必ずしも不自然ではありません。自分が感じた揺れだけで地震全体の規模や被害を判断せず、気象庁の地震情報も確認することが大切です。
【気象庁の震度階級とは?】震度3とマグニチュードの違い
震度3を正しく理解するには、気象庁が用いる震度階級と、地震そのものの規模を示すマグニチュードの違いを知っておく必要があります。この2つは関連していますが、同じ意味ではありません。
日本の震度階級は全部で10段階気象庁の震度階級は、震度0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級で構成されています。震度5以上は「弱」と「強」に分かれているため、数字だけを見て単純に1ずつ増える尺度だと考えると、実際の区分を誤解するおそれがあります。
現在、気象庁が発表する震度は、震度計による観測をもとに算出されています。1996年4月以降は、計測震度計を使った自動観測・速報の体制が運用されています。
震度3に対応する計測震度は、2.5以上3.5未満です。人が揺れをどう感じたかだけで決まるのではなく、観測された地震動を一定の方法で数値化し、震度階級に換算しています。
震度とマグニチュードは何が違う?震度は、ある場所でどれくらい強く揺れたかを示します。一方、マグニチュードは、地震そのものの規模を示す指標です。
例えば、同じ地震でも、震源に近い地域では震度が大きくなり、遠い地域では小さくなることがあります。地盤の性質によっても揺れ方は変わります。そのため、ひとつの地震についてマグニチュードがひとつ示されても、各地の震度は同じとは限りません。
気象庁の解説では、マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になるとされています。ただし、この関係から震度を直接計算することはできません。
つまり、「震度3だからマグニチュードも小さい」「マグニチュードが大きいから自分の地域も必ず震度が大きい」という理解は正確ではありません。 地震の規模を知りたい場合はマグニチュードを、実際にその場所でどれほど揺れたかを知りたい場合は震度を確認しましょう。
【震度2・3・4を比較】揺れ方と被害の目安はどう変わる?
震度3がどの程度の揺れなのかを理解するには、ひとつ下の震度2と、ひとつ上の震度4を比較するとわかりやすくなります。気象庁の震度階級関連解説表に示されている体感や室内の状況を整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 震度2 | 震度3 | 震度4 |
|---|---|---|---|
| 人の体感 | 屋内にいる人の大半が揺れを感じる | 屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる | ほとんどの人が驚き、歩いている人のほとんどが揺れを感じる |
| 睡眠への影響 | 眠っている人の中には目を覚ます人がいる | 眠っている人の大半が目を覚ます | 眠っている人のほとんどが目を覚ます |
| 照明・つり下げ物 | 電灯などがわずかに揺れる | 揺れがはっきりわかることがある | 大きく揺れる |
| 食器・棚の上の物 | 大きな変化は比較的少ない | 食器類が音を立てることがある | 食器類が音を立て、座りの悪い置物が倒れることがある |
| 被害の目安 | 体感や軽微な室内の変化が中心 | 食器の接触音などが生じることがある | 置物の転倒など、室内の物に影響が出ることがある |
出典:気象庁「気象庁震度階級関連解説表」。実際の現象は、建物の構造や設置物、地盤などによって異なります。
震度2と震度3の違いは、揺れをはっきり自覚するかどうか震度2でも、多くの人は揺れを感じます。震度3になると、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じるほか、食器の音や照明の動きなど、室内の変化に気づきやすくなります。
ただし、震度2から3への変化を、揺れの強さが単純に1.5倍になるといった計算で表すことはできません。震度階級は、一定の体感・現象に対応するよう区分された尺度だからです。
震度3と震度4の違いは、驚きや室内の物への影響震度4では、ほとんどの人が驚き、歩いている人のほとんどが揺れを感じます。照明などのつり下げ物が大きく揺れ、棚の食器類が音を立てるほか、置き方が不安定な置物が倒れることもあります。
震度3では、食器類が音を立てることはあっても、震度4で示されるような大きな照明の揺れや置物の転倒が、同じ程度に一般的だというわけではありません。
なお、震度3と4のどちらであっても、揺れが小さいからといって安全を断定することはできません。周囲の状況を見て、落下物や家具の転倒に備えることが必要です。
【震度3の被害の目安】家具の落下やマンション高層階への影響
震度3では、一般に大きな被害が発生するとは限りません。しかし、室内にある物の状態や建物の特性によっては、物が動いたり、落ちたりする可能性があります。「震度3だから家具の固定は必要ない」と考えるのは避けましょう。
震度3で家具や食器が落下することはある?気象庁の解説表で震度3の屋内の状況として挙げられているのは、棚にある食器類が音を立てることがあるという現象です。家具が倒れることが震度3の代表的な現象として示されているわけではありません。
一方で、実際の室内には、揺れによって位置がずれやすい物や、棚の端に置かれた物があります。例えば、次のような条件では注意が必要です。
- 食器棚の上段に、固定されていない食器を置いている。
- 棚の縁に、軽い置物や小型の家電を置いている。
- 背の高い家具を固定せずに設置している。
- キャスター付きの家具や収納用品を、動きやすい状態で使用している。
- ガラス製品や割れやすい物を、ベッドや座る場所の近くに置いている。
こうした危険は、震度3だけを想定したものではありません。より強い揺れが起きた場合のけがを防ぐためにも、家具の固定、収納物の配置、ガラス製品の置き場所を日頃から見直すことが大切です。
マンションの高層階では震度3でも大きく揺れる?マンションの高層階では、同じ地震でも低層階とは異なる揺れ方をする場合があります。高い建物は、地震の周期によってはゆっくりとした揺れが大きくなり、長時間続くことがあるためです。
気象庁が解説する「長周期地震動」は、周期の長い揺れが高層ビルなどに影響を及ぼす現象です。建物が揺れやすい周期と地震動の周期が合うと、共振によって大きく揺れることがあります。一般に、高層階ほど揺れが大きくなる傾向もあります。
このため、地表付近で観測された震度が3であっても、高層階にいる人が体感する揺れが必ず小さいとは限りません。気象庁も、通常の震度情報だけでは高層ビルの高層階における長周期の揺れの程度を十分に表せないと説明しています。
高層階では、家具や什器の移動・転倒、エレベーターの不具合などにも注意が必要です。揺れている間は移動を最小限にし、頭を守って安全な場所で揺れが収まるのを待ちましょう。
震度3なら建物の被害を心配しなくてよい?震度3という情報だけで、建物の安全性を判断することはできません。建物の耐震性や老朽化の程度、地盤、周囲の斜面や塀など、被害を左右する条件は複数あります。
揺れが収まった後、壁や天井の異常、ガラスの破損、家具の転倒、ガスや電気の異常などがないか、無理のない範囲で確認してください。異臭や煙、建物の明らかな損傷がある場合は、近づいたり無理に調査したりせず、安全な場所へ移動して関係機関の指示に従いましょう。
【地震速報を受けたら?】震度3の発生時に取るべき安全な行動
震度3は、強い揺れへの備えが必要なことを思い出す機会でもあります。揺れを感じた瞬間に、震度を調べたり、家具を押さえたりする必要はありません。まずは自分の身を守り、その後で情報を確認するという順番を意識しましょう。
揺れている最中は頭を守り、安全な場所で待つ気象庁や政府広報オンラインが案内している地震発生時の行動を踏まえると、屋内では次の対応が基本です。
- 姿勢を低くする。 転倒しないようにし、丈夫な机やテーブルなどの下に入れる場合は頭を守ります。
- 頭部を保護する。 机の下などに入れない場合も、落下物や窓ガラスから離れ、頭を守ります。
- 揺れている間は無理に移動しない。 家具を押さえたり、慌てて屋外へ飛び出したりする行動は避けます。
- 揺れが収まってから周囲を確認する。 ガラス片や倒れた家具、避難経路の障害物に注意します。
キッチンでは、食器棚や冷蔵庫、電子レンジなどの大きな家電に注意が必要です。揺れている最中に火を消そうとして近づくと、やけどや転倒につながるおそれがあります。まず身の安全を確保し、揺れが収まってから火元などの状態を確認してください。
「震度3の地震速報」と「緊急地震速報」は別の情報地震に関する速報には複数の種類があり、混同しやすい点に注意が必要です。
気象庁の「地震情報について」によると、震度速報は、震度3以上を観測した場合に、地震発生から約1分半後を目安に、震度3以上を観測した地域名などを発表する情報です。これは、観測された揺れを知らせるものです。
一方、緊急地震速報は、地震計で捉えたデータから震源や地震の規模などを推定し、これから到達する強い揺れを可能な限り早く知らせる仕組みです。
気象庁の緊急地震速報には予報と警報があり、一般向けの緊急地震速報(警報)は、最大震度5弱以上または長周期地震動階級3以上が予想された場合など、所定の条件を満たしたときに発表されます。震度3以上が予想される場合などには緊急地震速報(予報)の対象となることがありますが、震度3を観測したからといって、必ず緊急地震速報(警報)が発表されるわけではありません。
スマートフォンなどで通知を受け取った場合は、情報の名称と内容を確認し、予想される揺れに備えてください。通知がなかった場合でも、実際に揺れを感じたら、速報を待たずに安全確保を優先しましょう。
【震度3の後に注意したいこと】余震・津波・室内の確認ポイント
揺れが収まった後も、すぐに普段どおりの生活に戻れるとは限りません。余震の可能性や建物の状態、津波に関する情報などを確認することが大切です。特に、沿岸部や地震による被害が発生している地域では、震度の数字だけで判断しないようにしましょう。
余震はいつまで続く?震度3の後も警戒が必要?地震の後に、周辺でさらに地震が発生することがあります。一般に「余震」と呼ばれる地震活動は、大きな地震の後に多く見られますが、今後どの程度の揺れがいつ起きるかを正確に予測することは、現在の科学では困難です。
気象庁は、最大震度5弱以上が観測された場合など、大きな地震が発生した際に、その後の地震活動の見通しや防災上の注意点を発表しています。こうした発表では、地震発生後の1週間程度は最初の大地震と同程度の地震に注意することが基本とされ、特に最初の2~3日程度は規模の大きな地震が発生することが多いと説明されています。
ただし、これは大きな地震が発生した場合の一般的な防災上の目安です。震度3の地震が1回起きたという情報だけから、同じ期間や規模の余震が必ず続くと判断することはできません。気象庁が公表する地震活動の見通しや、地域ごとの防災情報に従ってください。
津波の危険性は震度だけでは判断できない沿岸部で地震が発生した場合は、震度が3だったとしても、津波の危険性を震度だけで判断してはいけません。津波の発生や規模は、地震の震源や断層運動などに左右されるためです。
海岸付近で強い揺れや長い揺れを感じた場合は、自治体などの避難情報や津波警報・注意報を確認し、必要に応じて速やかに高台などの安全な場所へ避難してください。警報などが発表された場合は、その指示に従い、解除されるまで海岸に近づかないことが基本です。
揺れが収まった後に確認する5つのポイント- 室内の危険:食器やガラスの破片、倒れた家具、落下物がないか確認する。
- 建物の異常:壁や天井の損傷、ドアの開閉異常などがないか、安全に確認できる範囲で見る。
- 火災・ガス:煙や異臭、ガス漏れの疑いがあれば火気や電気スイッチの操作を避け、安全な場所へ移動して通報する。
- 避難経路:玄関や廊下に物が散乱していないか確認し、靴などを用意して足元のけがを防ぐ。
- 公式情報:気象庁、自治体、消防などの情報から、地震の震源・震度、津波情報、避難の必要性を確認する。
情報を集める際には、出所がわからないSNS投稿や、日時を指定して地震を予知するといった情報に振り回されないことも重要です。気象庁は、地震の発生日時や規模を具体的に予測することは現在の科学ではできないと説明しています。防災行動の判断には、公式機関の発表を優先しましょう。
【地震の震度3に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:震度3はどのくらい揺れますか?
A1:屋内にいる人のほとんどが揺れを感じ、眠っている人の大半が目を覚ます程度です。照明などが揺れたり、棚の食器類が音を立てたりすることがあります。ただし、体感は建物や地盤、揺れの継続時間などによって変わります。
Q2:震度3で家具が倒れたり、物が落ちたりしますか?
A2:震度3の代表的な室内現象として、気象庁は棚の食器類が音を立てることを挙げています。家具の転倒が必ず起こるわけではありませんが、固定されていない家具や不安定な場所に置いた物は、揺れによって動く可能性があります。日頃から家具の固定と収納物の配置を見直しましょう。
Q3:震度3と震度4では、どのくらい違いますか?
A3:震度4では、ほとんどの人が驚き、照明などのつり下げ物が大きく揺れ、座りの悪い置物が倒れることがあります。震度3でも揺れは明確に感じられますが、震度4では体感や室内の物への影響がより大きくなる傾向があります。
Q4:震度3でも緊急地震速報は発表されますか?
A4:緊急地震速報(予報)は、最大震度3以上が予想される場合などに発表されることがあります。一方、一般向けの緊急地震速報(警報)は、最大震度5弱以上または長周期地震動階級3以上が予想された場合などが基準です。また、観測された震度3以上を知らせる「震度速報」は、緊急地震速報とは別の情報です。
Q5:震度3の地震が起きたら、余震を警戒する必要はありますか?
A5:その後も地震が発生する可能性はあるため、地震情報を確認し、室内の安全を確保しておくと安心です。ただし、震度3という情報だけで余震の規模や回数、発生時期を予測することはできません。大きな地震の後は、気象庁が公表する地震活動の見通しや自治体の情報を確認してください。
震度3は、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じ、照明の揺れや食器の音など、室内の変化に気づく程度の揺れです。震度2よりも揺れをはっきり自覚しやすく、震度4になると、驚く人が増え、置物の転倒などが起こることもあります。
一方で、震度3だからといって、すべての建物や室内が安全だと断定することはできません。特にマンションの高層階では、地震の周期や建物の構造によって、地表の震度だけでは表せない揺れを感じる場合があります。
2026年の防災情報を確認する際も、押さえておきたい基本は変わりません。揺れている間は頭を守り、揺れが収まったら室内や建物の異常、地震情報、津波情報などを確認すること。そして、家具の固定や避難経路の確保など、日頃の備えを進めておくことです。
震度の数字だけで危険性を決めつけず、実際の状況と公式情報を組み合わせて判断することが、自分や家族の安全を守る第一歩になります。